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【学生の皆さまへ】希望をもってニューノーマル時代の大学を一緒に創っていきましょう ~withコロナの時代を生きる~

 

2021年11月18日
宝塚大学 学長 米川英樹

 長引くコロナ禍のもとで、学生の皆さんにはいろいろな苦労を強いる結果となり、心苦しく思っていますが、皆さんは制限を受け入れながら、辛抱強く自覚的に大学生活を送ってきてくださっていることに心から感謝しています。
 皆さんの中には、オンライン授業のもとで、登校する機会も友人と出会う機会も少なく、孤独感や閉塞感にさいなまれ、対面による授業や学生同士のリアルなふれあいを渇望している人も多いと思います。私たちもすぐにでもコロナ前のような対面授業に戻したいと願っています。
 確かに、最近の新型コロナウイルスの状況を見ますと、新規感染者数が減少し、第5波も収束しつつあります。また、ワクチン接種や経口薬の開発も進み、街には日常が戻ってきています。ようやく長いトンネルの出口が見えてきたように感じられます。
  ただ、海外ではワクチン接種者が感染するというブレークスルーの懸念が新たに広がってきていますので、予断は許せません。
  国においても第6波を警戒して、規制緩和は慎重で段階的なもので、ワクチンの3回目の接種や医療体制の整備が検討されています。
 残念ながら、今しばらくは感染防止を続けながらWith コロナの下での大学生活を余儀なくされると考えられます。

 では、私たちはどうすればいいのでしょうか。大学としては、すぐにでもコロナ前のような対面授業に戻したいと願っています。しかし、教室が密になると感染リスクが高まり、クラスターが発生する危惧もあります。そうなると、授業も実習も卒業制作も中断に追い込まれます。この最悪の事態は避けなければなりません。
 そのため、本学にあっては急な授業形態の変更による混乱や学内実習の増加等による施設の問題などを考慮して、対面授業への切り替えは段階的なものにせざるを得ません。
 これから冬季のもとで暖房も必要になりますが、窓も教室の前後の扉も開けて、空気の流れを作ることが必要です。窓のない教室については換気工事を行い、CO2検査の機器も設置する予定です。私たちは、準備が整った段階でできるだけ早く、多くの授業で対面授業が実施できるようにしたいと考えています。
 学生の皆さんの中には、この2年間の孤立した学生生活のために、精神的に空虚な状況に陥り、意欲喪失になっている人や、経済的に困窮している人も少なくないと思われますが、国においても生活困窮者への給付等も検討しており、本学でも経済的な理由等で学業を断念することがないように、心のケアや経済的支援に努めていきます。
 このような状況を踏まえて、大学として、これまでと同様の感染防止に努めながら、学生の皆さんが充実した学修と楽しい大学生活が可能となるように環境を整備することを基本的考えとし、その観点から本学における当面の対応について以下の通りとすることとしました。

1.本学における当面の対応について
①授業
原則として対面授業に段階的に戻していきますが、混乱がないように留意します。準備が整った段階で、できるだけ早期に多くの授業が対面で行えるようにします。当面は感染予防に留意する必要があり、教室の分割やオンライン授業との併用などによって少人数の対面授業を実施するとともに、教室の換気やCO2検査の徹底によって、通常の規模による対面授業が可能なるよう、環境整備を進めます。
②実習や制作活動等
基本的には実習受け入れ先施設の意向を尊重して対応します。臨地実習が不可能な場合は、学内実習で対応します。また、作品制作に関わる授業や卒業制作等については、環境整備をしながら、可能な限り対面で行います。
③学生の諸活動
基本的には学内での諸活動は可能になります。その際、大学に届け出るとともに、感染予防は徹底してください。

2.学生支援について
〇私たちは、学生の皆さんが学修面での充実感が満たされるように授業等における学修指導の充実に努めます。そのために、授業担当教員やチューター・ゼミ指導教員は学生の皆さんとの交流をきめ細かく行い、皆さんの声や思いを受け止めるように努めます。
〇精神的ケア
悩みをひとりで抱え込まず、学生相談室・学習支援室やチューター・ゼミ担当の先生に相談してください。
〇経済的支援
学修支援室や学務課による相談活動を通じて、経済的理由によって学業を断念することがないよう、国や本学の奨学金等の制度を活用し、きめ細かい支援に努めます。
〇留学生支援
学修や生活において、孤立することがないよう、留学生センター(準備室)を中心に、きめ細かな実態把握に努め、教職員や他の学生とのつながりを大切にします。

3.感染予防
〇手洗い・手指の消毒・マスクの着用は不可欠です!油断大敵!
〇校内のロビーなどでマスクを外しての飲食は危険がいっぱいです。
〇飲食店の規制が緩和されていますが、多人数での飲み会は感染リスクが高いので控えましょう。
〇毎日検温を行い、発熱したら学校は休んで、病院で診察やPCR検査を受けてください。

4.次なるステップのために
〇宝塚大学は大阪梅田の看護学部も新宿の東京メディア芸術学部も10年余の実績を積み重ね、造形芸術学部の卒業生や研究科・専攻科の修了生を含め、多くの人がそれぞれの分野において活躍をしています。
〇宝塚大学はそのような実績の上に、「第2の開校」と称して「宝塚」のブランドを活かした次なるステップをめざします。
〇たとえば、「芸術」と「科学」の協調によって、コロナ禍における実習を実質的なものにするためのDX(デジタルトランスフォーメーション)を活用したシミュレーション教育のプランづくりに挑戦します。
〇With COVID‐19の下で経験していることを活かして、「今だからできること」にチャレンジし、ニューノーマルに相応しい大学を一緒に創っていきませんか。学生の皆さんの積極的な参画を期待しています。