宝塚大学

東京メディア芸術学部

教員紹介

橋口静思 専任講師

教養基礎

橋口 静思専任講師

SEISHI HASHIGUCHI

担当科目

展 示 論 / 表 現 思 考 Ⅰ · Ⅱ /メディア社会学Ⅰ·Ⅱ

PROFILE

明 治 大 学 大 学 院 教 養 デ ザイン 研 究科博士前期課程修了。美術館学、展示 学 を 専 攻 。文 化 普 及 活 動 、現 代アートのキュレーションに従 事 。論 文『野外美術館の分類について』 他

-MESSAGE01

多くの人が踏み入れやすいアート空間を

現在、宝塚大学東京メディア芸術学部をメインに学生に教えています。私自身、大学は早稲田大学で学び、その後明治大学の院に進みました。学生時代からバンドが好きで、よくライブイベントに足を運んでいたんです。それをきっかけにコンサートスタッフをやるようになって、フジロックやサマーソニックのイベント設営を手伝っていました。またちょうどその頃、第一回目の瀬戸内国際芸術祭が開催されていました。それを見たときに、音楽フェスと芸術祭に似たところがあるのではないかと考え始めていて、それを入り口に、美術館や、芸術祭など文化活動に関して広く勉強を始めました。
一般的に美術館は、堅苦しくて、”わかっている”人しか入れないような印象があります。そんなハードルの高さを気にすることなく、誰でも飛び込んで楽しむことができるのがフェスや芸術祭だと思います。美術館が多くの人に開かれた空間であるためにはどうしたら良いのか、ということをいつも考えています。ある程度知識を持っている人にしか響かないような、よくある展示と宣伝方法では、せっかくのコレクションも台無しになってしまいます。いいものをより多くの人に届けるために、空間から見せ方、宣伝にいたるまで広く物事を知っていないといけません。少しずつ、そういったものを変えていけたらいいと思っています。

橋口静思 専任講師

-MESSAGE02

全身を使ってアートに触れて欲しい

実際に学生たちに展示を見に行かせることもあります。自分の目で見て、体験しないと得られない発見があります。学生たちからは、思いもよらない感想が聞けたりすると面白いですね。美術館で目にする、ガラスケースや額に囲われたものが当たり前のアートである彼らにとって、今まさに制作されている現代アートというのは新鮮なのでしょう。そんな新しい体験をもっとさせてあげたいと思っています。
今、個人的には野外の展示に興味があります。美術館などの屋内の展示は、目の前に観るべきものだけがあって、目と頭で作品を観るだけになってしまいます。それに比べて、野外には、高低差も気温もありますよね。そのため全身を使ってアートに触れることができるのです。その方がより多くの発見や感想を得られると思います。野外の展示場はピクニックに行くような気持ちで、間口が広くていいですよね。鹿児島県の『霧島アートの森』や北海道にある『モエレ沼公園』はそういった点でオススメです。

-MESSAGE03

1年間に100は観ろ

学生時代に先生から言われたのは、「1年間に100は観ろ」ということでした。ライブ、映画、本、どんなものでも好きなジャンルは1年で100作品は触れなければ意味がないと。私はその言葉をとても大切にしていて、とにかく好きなジャンルにはたくさん触れようとしました。やはり若いうちにいろいろなアートに触れるというのは大切だと思います。学生たちにはもっといろんな場所を訪れて多くものに触れて欲しい。現代アートというのは、結局過去の作品を見て、そこから新しい領域を探っていくことで生まれますから。
それに加えて、学生たちには、触れた作品に関して自分の言葉で感想や意見を伝えるようにしてほしいと思います。コミュニケーションというのは人と人との間に限ったものではありません。作品や、モノや場所に自分の言葉を投げかけた時、どんなものが返ってくるのかを感じ取るのも大切です。そこからまた自分の言葉で答えを生成する姿勢を持ち続けて欲しいと思います。知識や引き出しを豊かにしながらも、まずはやってみる、言葉にしてみるというのが大切です。もっと無茶して、失敗を恐れずにいろんなことに挑戦して欲しいです。

-MESSAGE04

より多くの選択肢を
蓄えていくことが大切

クリエイターに必要なことは、「自分の作品が、どんな人にどう受け入れられているのか」を理解することだと思います。それができれば、アーティストとしての目線もディレクターとしての目線も得られ、成長していくと思います。作品の素晴らしさと、売れるか売れないかというのは異なるところにあるので、その両面を理解した方がいいですね。また、表現者というのは、「選ぶ」という能力が必要です。数ある表現の中から一つを選んで発信するのですから、その理由をきちんと自分で分かっていなければいけません。そのためにはたくさんの選択肢を持っていることも大切です。ひとつのことに関して、どこが良くて、どこがダメなのか、というのを分かっているかどうかで、自分の作品もうまく売り込むことができるようになるでしょう。デザイン感を持った学生を育てたいですね。

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