宝塚大学

東京メディア芸術学部

教員紹介

中村泰之 教授

メディアデザイン分野

中村 泰之教授

YASUYUKI NAKAMURA

ゼミ指導分野

グラフィックデザイン、現代アート、ワークショップ企画

PROFILE

筑波大学芸術研究科修士課程修了。修士(デザイン学)。現代美術家、ご当地萌えキャラ研究家。地域をフィールドとしたアート・デザインの実践、研究を行う。

-MESSAGE01

作ることは楽しいという意識を持ってもらいたい

今年から宝塚大学で1、2年生向けに「表現実践」「デザイン概論」「コンピューターデザイン基礎」の授業を担当しています。それまでも他大学で「基礎デザイン」を教えてきましたが、デザインというよりはクリエーション全般に必要なものづくりの知識、例えば色彩や形態、平面構成のこと、そして基本的な考え方などについて教えています。
宝塚大学の学生について感じるのは他大学の学生に比べ興味関心と将来の目標がはっきりしていること。これは私がプロデュースしているアートイベントに参加した学生を見ていても感じました。そこに対して授業を通してさらに「作ることは楽しい」という意識づけをできればと考えています。

中村泰之 教授

-MESSAGE02

「デザイン脳」を通して見えてくるもの

世の中にある人工物全てはデザインされたものです。デザインの基礎的な力が身についた結果「デザイン脳」が鍛えられると、ものの見方が変わります。例えばマンガの同人誌を作るときに、ただ好きな絵を表紙にするのではなく「こういった内容だから表紙はこういう絵にしよう」という考え方を自然とするようになります。仮にクリエイティブに関する仕事につかなかったとしても、営業のプレゼン資料をパワーポイントで作るときにもいかに伝えるか、図や写真、言葉の扱いが変わってきます。
デザイン脳をもつと視野が広くなり、それまで漫然と見ていたものごとが「なぜ、どのように作られたか」を分析しはじめ、自分のものづくりに活かそうと考えるようになります。これは領域問わず必要なことです。

-MESSAGE03

共創すること、一人でテーマを持って研究すること

私はワークショップデザインやイベントプロデュースの仕事以外にもご当地萌えキャラ研究をしています。私の活動は全て「地域活性」がキーワードになっているので、それぞれのキャラクターデザインの成り立ち、地域への経済効果や実際に地元が盛り上がっているか、運営の仕方などを幅広くリサーチしています。地域住民の反対で失敗した事例も多くありますし、萌えキャラへの耐性がない方のほうが多いという前提に対してどのようにデザインするか考えるのが重要です。
キャラクターだけで完結する話ではなく、地域の人々の存在や理解、運営、イベントなどの展開があって初めて成立するので、そういったところはワークショップやイベントの活動に繋がってきます。「なぜそのキャラクターができたか」と掘り下げて分析することは、私が基礎デザインの授業を通じて皆さんに身につけてもらいたい力の話に通じます。
孤立した状態で何かを作ることは難しいですし、クリエイターの仕事は成立しません。コミュニケーションを取りながら他の人と「共創」することが大事というのは学生にもよく伝えています。一方で、学生の頃から一人でコツコツ掘り下げて研究できるものもあるといいです。最初は「楽しい、好き」という気持ちで入り口に立って、そこから「なぜこの色と形態なんだろう?どういう背景でできたんだろう?社会との関わり方は?」と深く思考できるテーマを一つでも持てると、何を作るにも自分の制作に活かせるはずです。

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