宝塚大学

東京メディア芸術学部

教員紹介

井上幸喜 教授

ゲーム分野

井上 幸喜教授

KOUKI INOUE

ゼミ指導分野

ゲーム企画、デジタルコンテンツ企画、ゲーム開発、ゲームグラフィックデザイン、CG、VR/AR、アプリ開発、UI/UXデザイン、WEBデザイン・音楽制作

PROFILE

ソニーミュージック入社後、P S 用ソフト『クーロンズ ゲ ート』企 画・アートディレクションなど担 当 。( 有 )JetGraphics 、(株)JET MAN代表取締役

-MESSAGE01

ゲーム好きな「ユーザー」から
ゲーム全体がわかる「作り手」へ

私が担当しているのは、ゲームクリエイターを目指す1年生に、コンピューターゲームとは何か、どのような種類があり、どのような要素から成り立っているのか、どれほどの作業が必要なのかを理解してもらう授業です。ゲーム制作の全体像を把握することで、将来ゲームを「まとめる」立場で仕事ができる力を身に付けることが目的です。
ゲームクリエイターを目指す他の学校では、まず3DCGやプログラムから学び始めますが、本学では1年生の時からゲームのシナリオや企画に取り組み、「企画力」を身につけていきます。ゲームを制作するツールの技術も大切ですが、「どんなゲームを作るか」を企画する力がなければ、ゲームは作れないと考えているので、学び始める段階からその力を付けるための授業を行っています。
授業を通じて身につけて欲しいのは「作り手としての視点」です。ゲームクリエイターを目指す学生の皆さんは「ゲームが好き」な人ばかりだと思うんですが、「好き」だけではゲーム業界で仕事をすることはできません。「誰のためにどんなゲームを作り、喜んでもらうか」という、「作り手の視点」からゲームを見ることの大切さを理解してもらいたい。そのため、学生に「ゲーム禁止」を言い渡すこともあります。ユーザーとしてのプレイは止めて、少しでも早く「作り手」としてゲームに取り組む姿勢を身につけることが、ゲーム業界で仕事をするために役に立ちます。

井上幸喜 教授

-MESSAGE02

「批判」されたら、
「ユーザーアンケート」だと思ってみよう

これまでゲーム業界で仕事をしてきましたが、実は一度も「ゲームクリエイターになりたい」と思ったことはありません。美大卒業後、CGを作る仕事をしていた時、会社がゲーム機を開発することになり、CGの知識が役に立つだろうと声がかかりゲーム制作を始めました。
少人数の組織だったので全ての段階に関わり、ゲーム制作についてトータルに学ぶことができました。当時こういう経験をした人間は少なく、学んだことを伝えたいと考え、仕事をしながら社会人教室でゲーム制作について教えていました。そんな時、大学から誘われて「ゲームクリエイター」として教壇に立つことになりました。会社の指示や誰かの誘いに答えて様々なことに取り組んでいるうちに「ゲームクリエイター」と呼ばれていました。人の話を素直に受け入れる柔軟な姿勢を持っていたおかげだと思っています。
そんなスタンスの大切さに気付いたのは、制作したゲームを発売した時のこと。
あちこちからとても批判を受けました。でもそれを悲観的にはとらえず、お金を出して買ってくれた人の意見を「ユーザーアンケート」だと考えてみました。次はどんなゲームを作ればいいか教えてくれる貴重な意見として、次のゲーム制作に活かすことができました。

-MESSAGE03

人の言うことを素直に聞く姿勢が未来を拓いてくれます

学生の皆さんが悩んでいる姿を見ていると、「色々な意見を柔軟に受け入れていけばもっとたくさんのことを学べるのに」と感じます。「自分はこうでなければ」という考えに固執するから悩んでしまいますが、形が無ければ何でも受け入れることができます。その後で取捨選択すれば良いので、思い込みでせっかくのアドバイスや貴重な意見を拒否してしまうのは、もったいない限りです。
社会に出る前に、このような柔軟な考え方と周りの意見を素直に受け入れる姿勢をぜひ身につけてほしいです。それに加えてゲーム制作全体についての知識があれば、ゲーム全体をまとめる仕事にも、自分の得意を活かす仕事にもきっと就けると思います。

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