第1回学長×看護学部生 座談会

この企画は、日頃接する機会の少ない学長と直に意見を交わすことのできる機会を設け、
学長が学生の生の声を聞き大学運営に活かすことや、
学生に学長を身近に感じてもらうという目的で、今年度よりスタートしたものです。
コロナ禍で、大学での学び方が大きく変わった2020年。
いつもの日常とは違った形での学生生活となった中、率直な意見をぶつけてほしいという学長の思いを受け、
看護学部の学生6名が参加し、学長と語り合いました。
テーマ1「オンライン授業・対面授業について」
- 今年、コロナ対応で大学の様子が大きく変わりました。良くなった部分もあるかもしれませんが、困ったこととかこうしてほしいという要望もたくさんあると思います。そういったことを率直に教えてもらえませんか?
- 対面であれば、先生の表情も見えるし、雰囲気とかも伝わるので、内容も入ってきやすかったです。
しかし、オンライン授業は、先生によって授業内容の濃さが全然違います。きちんと顔を出して、見やすいように工夫をされている先生の授業動画は、オンライン授業でも対面の時と同じく楽しく授業を受けることができています。
だから、より多くの授業動画が見やすいものになっていけばいいなと思います。

- オンライン授業にもメリットがあると思っていて、正直、対面授業の時にみんなで課題に取り組む時に、自分は解けて、みんなが解けるのを待っている時があります。オンラインだと、自分の聞きやすい速度で聞けるから、その辺は自分に合っていると思います。
でも、学校に来て演習したい気持ちはあります。学校に来て対面授業を受ける時がありますが、正直、この授業はオンラインでもいいんじゃないか?と思う時もあります。
何をオンラインにして何を対面にするのかを考えてほしいし、数少ない対面授業の機会であれば、看護の演習のために使ってほしいなって思います。 - これから大学のありようも変わってくると思います。その中で、看護学部が一番大事にしないといけないのは、やっぱり実習とか演習とかだから、そういうことに重点をおいて考えていかなければと思う。
だから、こんな風に学長と学生がなんでも言えて情報共有できるっていうのはすごくいいと思うし、学長もとても気さくな方なので、今日だけじゃなくて、いろんな場面で思っていることを伝えていけばいいと思うよ。 - “教えられる”じゃなくて、“自分から学びに行く姿勢”も大事。だから、両方あるのが一番良いことですね。
大学もしっかり教えるし、学生も自ら学ぶ。そうできたら、学生たちが自立して次のステップを踏める。
学ぶ姿勢は大事だと思います。
テーマ2「看護師を目指す私たちにとってのコロナ禍」

- 実習に行けていない部分もあるから自信もないし・・・実習ってすごく大事で、現場でしか学べないこともあるし・・・なので出来れば、オンライン実習とか学内実習とかでも、もう少し実践に近い形にしてもらえると嬉しいかな。って思います。
- 学内実習は、ペーパーペイシェントで、事例が紙に書かれていて、それについて自分がどう看護するかを書いていきます。実際に患者さんを診ていたら、患者さんの変化とかも見れて、なんでそういう変化が起きているのかとかも自分で原因を考えたり調べたりするのですが、紙では、そういった変化もないので・・・やっぱり実際見るのとは、得るものは全然違うと思うんです。
- 病院実習にいけなくても、ある実習では、学校に3日間くらいきて、みんなでロールプレイングとかできたので、今、なかなか学校に来ることも難しいかもしれないですけど、病院に行けないなら、もっとこういう形を増やしてほしいと思います。
- 去年までは、講義と演習があって、演習で学んだことを、後で自主練習して定着させるようにしていたけど、今は、オンライン授業を受けているだけで実際には体験していないから、本当に知識が定着しているのかわからないし、テストも解ける自信がない。
それに、もうすぐ2年次生は病院実習があるけど、演習授業が1回も出来ていない状況なので、このままで大丈夫なのかな?と思います。
いろんな不安が重なって・・・ - 「コロナ世代」って言われることもあるだろうけど、あなたたちは何も悪くなくて・・・。
でも、自分たちや仲間の力で跳ね返していくしかないと思う。これから何年もこういう状態が続くかもしれないし、そうなれば、現場の看護師さん達も、今まで以上に現場で育てていこう、育てないとってなってくれると思うよ。
- 看護師の一番大きな役割っていうのは観察することだと思いますよ。
患者の異変に最初に気づかないといけない役割、そういう意味ではたくさんの患者さんと会ったり、長く観察したりはとても大事ですよね。
本当は、病院に行っての実習が一番良いし、先生たちもそうさせてあげたいと思っている。でも受け入れる病院にも事情があるしね。病院へ行くのが今は難しい状況ですからね。この問題については、先生方ともいろいろ議論して、良い方法を探していかないといけないと思っています。
でもね、看護師はずーと自己学習していく職業でしょ。コロナのため、病院実習がこれまでのように十分ではなくて少しハンデがあるかもしれないけど、入職後は自分次第で巻き返せると思うよ。

テーマ3「教職員との距離」
- オンライン授業では、授業の課題も文章で提示されることが多くなったし、先生への質問もチャットを使った文章のやり取りになってしまいます。
文章だと意味が読み取りにくい時もあって、「こういう意味で合っているのかな?」って不安になる時があるんです。その時にチャットで質問しても一言で返されてしまうと、迷惑だったのかな?とか考えてしまって、次から怖くて質問しにくくなってしまっています。 - 対面授業の時は、そんな風に感じなかったの?
- 対面の時は、あまりなかったと思います。やっぱり、学生も初めてのことで慣れてなくて、細かい質問が増えているから、先生も大変なんだと思います。でも・・・
- 先生方も悪気があってしているわけじゃなくて、やっぱり先生方もオンライン授業に慣れてないってことと、急にいろいろ変化して、仕事量も増えているからだと思う。でも学生たちがこういうことで困っているって気づいてない先生もいると思うから、それは私の方で伝えていかないといけないね。
- 教員もこれで伝わるかなと思って言ったことが、伝わっていなかったことがよくあるのよ。
だから、わからないことはやっぱり伝えていかないといけないと思うよ。発言力のある学生がいると、先生もきちんと対応していると思う。でも、質問したり、指摘するときは丁寧にね。そしたら先生の態度も変わってくると思う。 - どんな状況でも一生懸命話を聞いてくれる先生もいらっしゃって、その先生は、学生を良い方へ引っ張って行ってあげようっていう雰囲気をとても感じるし、勉強のこととかだけじゃなくて、プライベートな相談にも真剣に聞いてくれて、授業もめっちゃ楽しい。
でも怒るときはちゃんと怒ってくれる。いつも私たちを見てくれているから、先生に怒られたら、ちゃんと聞こうという気になる。
ほんと、そういう先生が増えたらいいなと思います。 - 事務局にも、親身になって話をきいてくれて、頼れる職員の方もいてるし。
- (この4月に着任して)先生方お一人お一人のキャラクターを掴むのはまだ難しいね。でもね、大学を明るい場所に変えていきたいと思っています。何よりも、今回こういう機会がもてて、学生さんと話せてとてもうれしい、楽しい。ほんとにありがとう。
学長室はオープンだから、いつでも来てくれていいよ。
4年生は、これから卒業して看護師になりますよね。看護師はやっぱり尊敬される仕事だと思います。患者さんにとって、一番身近な医療者で一番頼りになる存在です。いろんな困難があると思うけど、所期の目的をもう一度強く持って頑張っていってほしい。自分の為だけじゃなくて、どの職業も基本的には人のために働くものですよ。
人のためにどう働けるかということを考えながら頑張っていってほしいと思います。いつも応援しているからね。

米川 英樹 学長
基礎教育講座:浮田 恭子 准教授
<参加学生>
伊藤 鯨太郎(看護学部 2年次生)/西 優輝(看護学部 2年次生)/吉福 晴之(看護学部 2年次生)
澁谷 盟(看護学部 4年次生)/砂倉 憂香(看護学部 4年次生)/守口 千智(看護学部 4年次生)
※感染対策に細心の注意を払い、室内換気・マスク着用・アクリル板設置にて行いました。