宝塚大学

理念・歴史

学長メッセージ

宝塚大学のはじまりは、1967年に開学された関西女子学園短期大学です。1975年に関西女子美術短期大学に名称が変更され、1987年には、それまでの美術教育・研究の経験をもとに宝塚造形芸術大学が誕生しました。その後、東京メディア・コンテンツ学部、さらには看護学部が開設されたことを受けて、2010年に宝塚大学に名称が変わりました。
そして今、宝塚大学は、短期大学の創設から53年、大学の開設から33年を迎え、東京新宿に東京メディア芸術学部及び大学院メディア芸術研究科と大阪梅田に看護学部及び助産学専攻科を擁する都市型キャンパスの大学として展開するに至っています。

本学のこれまでの展開は、今日まで本学の運営と教学を担われた先輩諸氏の確かな先見性をもった努力の賜物であるとともに、社会の急速な変化を敏感に対応してきた結果であると言えるでしょう。現代の知識基盤社会では、既存の知識や技術は短い周期で陳腐化していき、新たな知の創造とその活用は、生き抜くためには必須の条件であることは論を俟ちません。そのため、私たちは絶えず競争と技術革新の波の中に翻弄されています。
しかし、最先端の知識と技術だけでは決して十分ではありません。私たちの世界には、心の潤いや美しいものへの共感が必要です。さらには人と人とのつながりが必要です。すなわち、私たちの生活は、よりよい生活の土台となる科学性とともに、美しいもの、感動的なもの、他者との絆などの感性やつながり感によってはじめて十全なものになります。
宝塚大学が提供する「看護」と「芸術」の教育は、それぞれ全く異なったものに見えますが、両者は人間の「心に働きかける行為」としては共通しています。「心と体を癒す看護」「心をあたたかく元気にする芸術」は私たちが目標とするものです。

本学は、建学の精神である「芸術と科学の協調」を通じて、メディア芸術、看護それぞれの分野でその波を力強く乗り越える人間力とその源である最先端の知識や技術を、学生一人一人に提供し続けています。すなわち、東京メディア芸術学部では、「芸術×IT」の5つの専門分野による学びで、コンテンツ業界で活躍できるクリエイターの輩出をめざしています。看護学部では豊かな人間性を涵養し、論理的思考と実践力が発揮できる看護師を育てます。
それを実現するために、本学は、学生一人一人の専門的な力量を高める魅力的なカリキュラムを用意しています。そして専門性の極めて高い優秀な教授陣が控えています。どの先生方もそれぞれの道での優れたプロです。

このように私たちは、学生一人一人の可能性を最大限に高める教育を通じて、職業実践力を体現した卒業生を輩出し、社会に貢献してまいります。言いかえると、幅広い豊かな教養に裏打ちされた、次代を背負うプロフェッショナルを養成してまいります。私たちは変化に対応する力を育成するとともに、変化してはならないものについても最大限に尊重し、それを学ばなければなりません。それは、世代を超えた教養であり、文化であり、哲学であり、科学的な思考方法であり、世界との関わりです。
私は、宝塚大学は一人一人の学生の好奇心や探究心を職業実践力と優れた人間力に変え、あたらしい自分を作りあげる助けとなる大学であると信じています。本学のこれからを見据え、本学が新たな飛躍に向けて挑戦していく姿に、どうぞご期待いただきますようお願い申し上げます。

宝塚大学 学長 米川 英樹