宝塚大学

大学からのお知らせ

2022年04月01日NEW

【新入生・在学生の皆さまへ】2022年度の開始に当たって~新型コロナウイルス感染症予防と授業等について~

2022年4月1日
宝塚大学 学長
米川 英樹

 新入生の皆さん。ご入学おめでとうございます。3年間にわたるコロナ禍のもとでの生活に耐えながら受験勉強に励まれ、このたび見事に今日の日を迎えられたことを共に喜び合いたいと思います。
在校生の皆さんも、大学生活のほとんどをコロナ禍のもとでの慣れないオンライン授業を中心とした大学生活を送ってこられ、さぞ戸惑われたことも多かったことと思いますが、皆さんの努力と協力のおかげで、新しい年度を迎えることができました。改めて、心から感謝を申し上げます。
今日から、皆さんと一緒に、感染防止を徹底しながらも、豊かで充実した大学生活を作り上げていきたいと願っています。そのために、皆さんには以下に掲げるような約束事をお願いしなければなりません。どうか大学の学びが充実したものとなるよう、心を合わせて目標に向かって進んでいきましょう。

1 感染状況
 新型コロナウイルスをめぐっては、まん延防止等重点措置は解除されましたが、感染者数は高止まりで再増加の懸念もあり、高齢者の重症化が際立っています。そのため、病床がひっ迫している地域も多く、亡くなられる方も少なくありません。
 本学における感染状況は、学内感染事例はなく、大半が家族や友人からの個別の感染ですが、2020~21年の2年間での感染者数が34名であったのに対し、今年に入って1~3月の3か月間ですでに34名に上っています。
 オミクロン株は重症化率が低いといわれていますが、決して重症化しないわけではなく、基礎疾患がある人や肥満傾向の人、喫煙傾向のある人などは重症化の可能性を否定できないとされています。
 加えて、デルタ株と比べて明らかに感染率が高く感染速度も速いため、新規感染者数は比べようもないほど多く、とりわけ、若者中心の感染拡大により療養者数が急激に増加した場合には、軽症・中等症の医療提供体制等が急速にひっ迫する可能性があり、家庭内感染等によって高齢者に感染が波及することで重症者数の増加につながる可能性もあります。また、子どもの感染が増えたため幼稚園・保育所・学校や介護施設の閉鎖が社会問題となっています。
 今後、感染状況がどのように推移するかは不透明ですが、オミクロン株の変異株BA2に置き換わると、その感染力や重症化率はこれまでのオミクロン株をはるかに凌ぐと懸念されています。そのため、新年度に向けて感染状況を見守りながら、対応策を臨機応変に講じる必要があると考えています。

2 基本的な感染予防対策(密の回避、換気、マスク・手洗い・消毒、受診と検査)
 オミクロン株の特徴に対応した感染予防対策は、変異株であっても、3密(密集・密接・密閉)や特にリスクの高い5つの場面の回避、マスクの適切な着用、こまめな換気、手洗いなどが有効とされており、「飲酒を伴う懇親会等、大人数や長時間におよぶ飲食、マスクなしでの会話、狭い空間での共同生活、居場所の切り替わりといった場面でも感染が起きやすい」と指摘されています。特に、三つの密(密集、密閉、密接)が重なるところは最も感染リスクが高いのはもちろん、オミクロン株は伝播力が高いため、一つの密であってもできるだけ避けた方が良いとされています。
 特に、医療提供体制のひっ迫が懸念されている東京や大阪といった地域では、より慎重な判断と行動が求められます。外出の際は、混雑した場所や感染リスクの高い場所を避けることが必要であり、飲食店を利用する際は、換気などの感染対策がされている第三者認証適用店を選び、できるだけ少人数で、大声・長時間を避けるとともに、飲食時以外はマスクを着用することを守ってください。
どこで感染するかわからないのが新型コロナウイルスの特徴です。そして感染したらインフルエンザのように薬があって十分な治療が受けられる状況に今はありません。医療機関がひっ迫している現状では、多くの人が自宅で療養することになり、隔離生活で味わう不安感は計り知れません。
そして、軽度の発熱、倦怠感など少しでも体調が悪ければ外出を控えるとともに、積極的な受診と検査を行ってください。

【自治体からの要請】
○ 発熱等の症状がある学生は、登校や活動参加を控えること
○ 部活動や課外活動における感染リスクの高い活動(合宿等)や前後の会食を自粛すること
○ 感染リスクの高い、自宅・友人宅での飲み会や、多人数が集まる会食を自粛すること
○ 会食を行う際は、4ルールに留意すること
・同一テーブル4人以内
・2時間程度以内での飲食
・ゴールドステッカー認証店舗の推奨
・マスク会食の徹底
○ 感染防止対策(3密の回避、マスク着用、手洗い、こまめな換気等)の徹底
○ 不要不急の都道府県間の移動は極力控えること(対象者全員検査で陰性を確認した場合は対象外)

【入学式について】

 この春、新たな多くの新入生をお迎えすることになりますが、宝塚大学は心から新入生の皆さんを歓迎したいと思っています。
 入学式は、新入生の皆さんにとって人生の大きな節目ですし、これから始まる大学生活の除幕式でもあります。コロナ禍に苦労されながら到達しえた喜ばしい日ですから、新入生の皆さんのみならず、ご家族の皆さんにとっても、さぞやこの日を心待ちにされてきたことと思います。
 本来でしたら、盛大に入学式を挙行し、たくさんの人々に祝福されて大学生活をスタートしていただきたいと願っておりましたが、新型コロナウイルス感染症がまだまだ猛威を振るっている状況ですので、感染防止の観点から、新入生を中心とした簡素なものとせざるを得ません。どうかご理解の上、ご協力ください。
 可能な限り、新入生の皆さんにとって門出にふさわしい日となるよう、大学としても努めてまいります。
 なお、キャンパスによって、施設の広さ等の要件から、保護者の出席については対応が異なりますので、それぞれの学部で確かめてください。

3 本学における感染防止対策 ~ 学内感染防止と大学の機能維持を最優先に~
 本学においては、学内感染防止を最優先とするとともに、大学の機能停止を招かないようにすることを念頭において、以下のように感染防止対策を定めています。

【学内感染防止を最重要に~オミクロン株に対応した感染予防と検査の充実】
(1)教室など「密」になりやすい場所における「換気」の徹底(外気取入れ式の空調、空気清浄機、CO2測定器を整備している教室では通常の授業が可能ですが、窓が開閉できる教室では窓やドアを開けて換気を行ってください。)
(2)入校時の検温(入口に検温器を整備しています)、マスクの着用、手洗い、消毒の順守 (エレベータ・トイレ・教室など共用箇所の使用前後に手指を消毒してください)
(3)校内で飲食する時は、指定された場所で「黙食」を厳守。その他の談話室等での飲食は厳禁です。
(4)「3密」で唾液が飛び交う環境(飲食店等での大声での会話、カラオケやイベント、スポ ―ツ観戦等で大声を出すことなど)を避け、飲食店を利用するときは換気が十分かどうかを適切に判断してください。
(5) 飲食店等でアルバイトする場合には、接客時にはマスクを着用のうえ可能な限りフェイスシールドを着用し、手指の消毒に努め、帰宅時には手洗いやうがいをすること。(看護学部の実習においては、実習施設からの要請期間のアルバイトは禁止です)
(6)本学では民間のPCR検査機関と提携しています。必要に応じて検査ができます。
(7)3回目のワクチン接種については、梅田キャンパスにおいては済生会中津病院、レディース&ART クリニック サンタクルス ザ ウメダ、阪急阪神ホールディングスのご協力のもと実施しています。新宿キャンパスにおいては新宿区等との連携のもと4~5月に3回目の接種機会を準備しています。

【感染者及び濃厚接触者になった時の対応】
(1)感染者となった場合
① 感染した場合の報告について、感染の拡大を防止するための措置を講じる必要があることから、速やかに電話又は電子メール(登校はしないこと)により次に掲げる事項について所属する学部の事務部へ報告してください。(緊急を要する場合で、大学事務部に連絡が取れない時は、チューターやゼミ担当教員に連絡してください)
・診断日、受診した医療機関
・診断日前1ヶ月以内における外国への渡航歴の有無(期間・国名・都市名)
・行動履歴等
a)発熱及び咳などの呼吸器症状が現れた日
b)授業等への出席状況、本学の関係者との接触状況等 日時ごとの学内における行動
c)現在の状況、今後の見通し等についての医師等の所見
② 医療機関において新型コロナウイルスに感染していると診断された場合は、登校停止とします。
③ なお、以下に該当する場合も、登校停止とします。
・風邪の症状や37.5度の発熱がある場合
・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある場合
④ 登校停止により欠席した授業等の取扱い
・出席停止により欠席した授業等については、学生の不利益とならないよう、代替措置により適切な配慮を行います。
⑤ 登校停止の期間は「治癒するまで」とします。
・検査陽性者における療養解除の基準は、「発症日または診断日から10日間経過した」のちとします。
・なお、登校停止の解除後に出校するに際して、今回に限り、基本的には証明等を求めません。ただし、学内感染防止の観点から提携検査機関での受検を勧め、費用は大学負担とします。

(2)濃厚接触者として特定された場合
① 保健所によって濃厚接触者と判断された場合は、所属する学部事務部へ連絡してください。
② 保健所の判断が遅く、自身で濃厚接触者でないかと不安を感じる場合は、大学に相談してください。
③ 濃厚接触者となって場合は登校停止とします。
④ 自宅待機期間は、保健所の判断に従うが、保健所の指示がない場合は、大学としては原則として、感染者と最後に接触した日の翌日から7日間とします。
ただし、同居家族の感染に伴う濃厚接触者については、感染者の発症日か、感染対策を講じた日の遅いほうから7日間発症しなければ解除できるようにします。
7日間が経過後は、接触後10日間までは健康観察を行い、その状況等については各自の所属する学部事務部等へ電話で連絡してください。
自宅待機期間が解除後に出校するに際して、今回に限り、基本的には証明等を求めません。ただし、学内感染防止の観点から提携検査機関での受検を勧め、費用は大学負担とします。
⑤ この間、自宅待機中に授業を欠席した場合は、「(1)感染者となった場合」に準じます。
⑥ なお、家族や同居者に風邪の症状や37.5度の発熱が続く場合は、登校を自粛してください。その場合も、出席面での配慮を行います。

【授業等教育活動】
 新入生にとっては困難を強いられる中で関門を乗り越え自らの手で開いた大学生活の門戸ですから、多くの学友や教員との交流を待ち望んでおられることと思います。
 在校生にとっても、期待して入った大学での生活がコロナ禍で自粛を余儀なくされ、描いていた夢とは違ってしまったことと思います。
 宝塚大学は学生の皆さんの学びや学友との交流などに対する期待に応える大学でありたいと願っています。
 新年度を迎えるにあたり、本学では「感染防止と学修機会確保の両立」を目指し、「基本的には感染防止をしながら対面授業を実施します。なお、感染状況によっては柔軟にオンラインを組み入れることもあります。」
 そして、その他の自主活動や施設利用は、徹底した感染防止を前提に積極的に認めたいと考えます。

〇授業形態については、基本的には対面授業としますが、必要に応じてオンライン授業も併用します。
〇テストについて、感染者及び濃厚接触者となって受験が困難な時は、後日に診断書等を提出してください。感染者および濃厚接触者となった人については、不利にならないように追試等で対応します。
〇看護の実習については、基本的には臨地実習ですが、実習先と協議をして実施方法をきめます。一部、中止を求められた実習については、学内実習やオンライン実習に切り替えます。

【感染防止のための施設設備の整備】
 宝塚大学では、感染防止の観点から「安心安全な大学づくり」を合言葉に、さまざまな施設設備の整備に努めてきました。
 感染予防として、梅田キャンパスでは外気取り入れの空調設備に取り換え、教室入口にCO2測定器を整備しました。また、少人数に分割しながら、同時に講義を受講できるように、デジタル機器を配備しました。
 新宿キャンパスにおいては、1階に130人が十分に収容できる多目的ホールを整備しました。その他の教室も換気状況やCO2検査を実施しつつ、更に感染防止に適した環境整備を進めてまいります。
  看護学部・助産学専攻科における臨地実習については、実習先施設の要請に応じる必要がありますが、臨地実習ができない場合でも、学修効果が十分得られるように考えて学内実習を実施します。また、最先端のDX化を目指し、シミュレーション教育が可能となるように施設、教材教具などを整えます。

【学生支援(経済的支援・心のケア・学修支援など)】
 宝塚大学ではコロナ禍のもと家計の急変等の経済的理由によって学業を断念することがないように、授業料減免や奨学金の制度を整備しています。また、国においても学生支援機構の育英制度が整備されています。コロナによる家計が急変した場合は、授業料免除や奨学金制度があります。また、オンライン授業の円滑な受講のために、PCやWi-Fi等のサポートを行いますので、大学に遠慮なく相談してください。
 また、コロナ禍のもとで、大学の仲間や教員との交流が途絶えがちになっています。そのため、気軽に悩みを相談したり、分からないことを聞いたりすることが難しいという声を聞きます。しかし、一人で抱え込まないで、チューター(看護学部)・ゼミ担当(東京メディア芸術学部)や授業担当の先生方・学部事務部はもちろんですが、そのほかにも下記の大学の諸機関に相談してください。心の悩み・学修のこと・オンライン授業のこと・家庭のこと・人間関係のこと・就職進路のこと、大学生活に関するあらゆることについて、宝塚大学は皆さんの声に真摯に耳を傾け、一緒に問題を解決したいと思います。

〇学生相談室(カウンセラーの専門家が相談に対応されます)
〇学修支援室・学生支援室 (学修面・学業の継続・授業等の悩みを解決できるように支援します)
〇キャリア支援室・就職支援室(就活の支援をします)
〇保健・衛生管理室(梅田キャンパス・健康面での支援をします)
〇留学生センター(新宿キャンパス・留学生の学修と生活の両面の支援をします)

 世界を見渡しても、何かと不透明な状況が多い昨今ですが、宝塚大学は学生と教職員が一丸となって、苦難に負けずに素晴らしい人材を生み出すべく挑戦して参りたいと思います。

何卒、よろしくお願い致します。