宝塚大学

大学からのお知らせ

2020年11月25日NEW大学からのお知らせ

【在学生の皆さまへ】COVID‐19の感染急増期を心合わせて乗り越えよう

2020年11月25日
宝塚大学 学長 米川英樹

後期に入り、東京メディア芸術学部や大学院では卒業・修了制作や就活、看護学部や助産学専攻科では臨地実習や国家試験準備が佳境を迎え、いよいよ本格的に大学生活が始まろうとしていた矢先に、残念ながら東京も大阪も新型コロナウイルスの感染者数が急増してきました。

東京都は、11月19日に534人、20日には522人と2日連続で500人を超え、「東京都警戒レベル」によりますと、感染状況は最悪の「レベル4」となり、「厳重な警戒」が必要とされています。

一方、大阪府も、11月22日に新規感染者数が490人となり、東京都との人口比で表すと700人を超えており、東京をはるかにしのぐ危険数値になっています。このことから、大阪府の対策本部は「イエローステージ(警戒)2」への引き上げを行いました。

国の専門家会議は、東京・大阪・札幌市は、警戒レベルが最悪一歩手前の「レベル3(感染者が急増)」に入りつつあると警鐘を鳴らしています。

新型コロナウイルスの特徴は、「発症していないのに感染する」という点にあります。いわば、目に見えない脅威と向き合わないといけないということです。とくに若い人は発症することが少ないため、自覚もないまま大事な人に(例えば同居する祖父母や両親に)うつしてしまい、うつされた高齢者の方は重症化する危険性が高いと言われています。

事実、60代以上の高齢者の感染率は高くなってきており、東京でも大阪でも重症者用の病床がひっ迫しつつあると懸念されています。看護学部の学生の皆さんは、病院実習が始まっていますが、実習先で高齢の患者さんと向き会う訳ですから、気が気ではないでしょう。

この間、大学での集団感染(クラスター)が少なくありません。その多くが、部活動やサークル活動の仲間が飲み会や旅行を通じて感染したと言われており、クラスターが発生した大学の中には、キャンパス全体を入構禁止にしたり、2千人近くも自宅待機にしたりした大学もあります。クラスターが発生すると、大学の教育活動そのものに支障をきたすのです。

コロナを恐れて教育活動を停止することはできませんが、クラスターが発生すると止む無く教育活動は停止に追い込まれます。いかに感染予防をしながら教育活動を維持できるのか、私たちの理性的な判断力と行動力が問われているとも言えます。

本年4月以降、せっかく大学に入学したのに、オンライン授業ばかりで、大学らしい学びを実感できず、学生同士の交流や触れ合いもなく無味乾燥な生活を余儀なくされ、孤立感を味わっている人も少なくないだろうと心配しています。

私たちは、今コロナによって人間力が試されているのではないでしょうか。「人と人が物理的に近づけないが、精神的には心と心がつながっておれるかどうか。」、国と国が、地域と地域が、人と人が、距離を置きながらではあるが、コロナに打ち克つために、利己主義を封じ込めて協力し合えるかどうかです。

人類は試されているのです。人類の幸福・安全・健康のために、他を信頼して、共に生きていけるかどうかを。 

学生の皆さんにお願いです。
「第3波」と思われるコロナの脅威に、皆さんが仲間や家族との信頼関係の下に、理性をもって向き合って乗り越えてくれることを。

具体的には、国や東京都・大阪府から発せられている以下の感染防止のための行動に、心を合わせて共に取り組みましょう。

1)国の新型コロナウイルス感染対策分科会の緊急提言『5つの場面』での感染予防を守りましょう。

 ①飲食を伴う懇親会等
 ②大人数や長時間に及ぶ飲食
 ③マスク無しでの会話
 ④狭い空間での共同生活
 ⑤居場所の切り替わり

2)学生同士の飲み会の開催、カラオケの利用、並びに「感染防止宣言ステッカーを導入していない、接待を伴う飲食店及び酒類の提供を行う飲食店」などの利用は自粛しましょう。

3)アルバイトについては禁止をするものではありませんが、コロナ禍で生活リズムを崩しがちになっている人も見受けられます。感染リスクの高い「接待や酒類を提供する飲食店」でのアルバイトは可能な限り控えてください。経済的な理由等でアルバイトが必要な人には、奨学金等の支援がありますので、気軽に大学に相談してください。

4)学内での会食は控えましょう。食事をする時は、決められた場所で、前向き座りで会話をせずに食事をとりましょう。

5)ラウンジやロビー等での多人数での会話は控え、マスクは必ず着用しましょう。

6)入構時は、検温と手指消毒を必ず行いましょう。

7)教室の机上やドアノブなど共有箇所は、自ら消毒しましょう。

以上、たくさんのお願い事を申し上げましたが、一日も早く、当たり前の日常と充実した大学生活を取り戻したいと強く願っています。本学は引続き最大限のサポートに努めてまいりますので、ぜひ皆さんの力をお貸しください。