宝塚大学

合格体験記

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卒業生インタビュー 2020

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  • 助産師になりたい理由と助産師になってどういうことがしたいのか、しっかりビジョンを持って頑張って!

    \Profile/ 山村 果歩 Yamamura Kaho

    卒業年度
    2019年度卒業生
    出身学部・学科
    助産学専攻科
    勤務先
    大阪大学医学部付属病院
今現在の所属と仕事内容を簡単に教えてください。
総合周産期医療センターのMFICU※1に所属しています。そこで妊娠期、産褥期の妊産婦の看護と新生児の看護、分娩介助やベビーキャッチ※2(帝王切開時の介助も)、羊水検査、絨毛(じゅうもう)検査といった検査の介助を行っています。※1…母体・胎児集中治療室のこと。リスクの高い母体・胎児に対応するための設備とスタッフを備えている。
※2…生まれたばかりの赤ちゃんの羊水をふき取ったり観察したりすること。
なぜこの病院(病棟)を選びましたか?
ハイリスク妊産婦管理をまずは学びたいと思い、他の病院ではなかなか診ることのない疾患を有している母や胎児がいる阪大病院へ就職しました。また、大学病院では分娩は医師が介入することが多いのですが、阪大病院では主に助産師が管理、介助できるところも選んだポイントです。(もちろん医師も介入します)
新型コロナウイルスで大変な中の入職となりました。現場の方はどのように対応され、どのようにこの数か月を感じていますか?
私の病院では、院内で決定したCOVID-19(新型コロナウィルス)のガイドラインに沿って感染対策を行い、必要な場合はPCRなどの検査を行って対応しています。産科は在院日数も短く、入れ替わりも多いですし、分娩で発熱することも多いので不安が全くないと言えば嘘になります。ですが、立ち会い出産が出来ない今、一番不安など色々な思いを抱えているのは産婦さんなので、終息するまでは私たちスタッフもできる限り寄り添い、良いお産になるようにしていきたいと考えています。
日々の業務の中で、大変だと思うことはありますか。また、どのように対応されましたか。
助産師の仕事は、直接的なケアが多く責任が大きいので新人といえど、その責任を負わなければなりません。助産技術の向上や一つ一つのケアをしっかりアセスメントをして、根拠を持って働いていくことは大変です。ですので、分からないことはすぐに調べて知識の習得に励んでいます。また、OGOC※を受け入れている病院でもありますし、ハイリスク妊産婦が多いので、急変もあります。そんな時に、分娩は奇跡であることを再認識し、大変だと思うこともあります。※…産婦人科診療相互援助システムのことで、産科救急・母体搬送を円滑に行うための連絡調整システム。 搬送の必要性が出た場合、依頼施設はコーディネータに連絡し、このコーディネータが受入病院を探す仕組みになってる。
やりがいを感じるときはどんなときですか。
分娩介助を行った褥婦さんに「ありがとうございました」と言われたり、長期入院している妊婦さんの妊娠週数が出生可能な週数まで経過した時や、産後出血で急変していた褥婦さんが元気に退院された時など、日々の小さいことを含むと数えきれないほど沢山のやりがいを感じます。
学生時代に思っていた「助産師」と入職後の「助産師」についてギャップはありますか。
専攻科での実習先では医学的介入が少なく、助産師が主体となり、「産婦さんにとっての最善のお産」を学ぶことができました。ですが、入職後はハイリスク妊産褥婦が多いこともあり、どうしても医学的介入が多く、管理という面が大きいように感じます。その中でも専攻科で学んだ自分の目指す助産師観を忘れず、実践していけたらと思います。
専攻科での学びは、どのように生かされていますか。「宝塚大学 助産学専攻科に通ってよかった」と思うことはありますか。
入職1年目の6月時点で、中期分娩(中絶)を受け持つことになったのですが、抵抗を感じることはなかったです。これはアートとグリーフケア※1の授業で、当事者の方のお話を聞いたり、グリーフケアについて学んだためだと思います。元気に産まれてくる子ばかりではないのが産科なので、対比することですが、そこも学べていたのはよかったと思います。また、少人数制で授業もディスカッションが多く、みんなの助産師観を知れたことで、助産師としての多様性を学べたので、様々な角度から物事を考えることができたと思います。さらに、実習中は教員が必ずついて下さるのでアセスメント※2も深められますし、指導者さんには言いにくかったことも言えて、疑問を解決することが出来ました。エビデンス※3はないものの、長年の経験があってこその知識も教えてもらう機会があったので良かったです。一番は自身の助産師観が構築できた1年だったので専攻科に通って良かったです。※1…子どもなど大切な人を亡くし、大きな悲嘆(グリーフ)に襲われている人に対するサポートのこと。
※2…情報を収集し、何が問題かを把握すること。
※3…証拠、根拠。
助産師を目指す受験生へメッセージをご記入ください。
助産師は責任が大きい仕事ですが、直接的ケアが多く、反応も直接得られやすい仕事ですので、とてもやりがいを感じます。赤ちゃんもとっても可愛くて癒されます。助産師になりたい理由と、助産師になってどういうことをしたいのかというビジョンをしっかり持って、それを励みに頑張ってください!応援しています。