第8回学長×東京メディア芸術学部生 座談会

この企画は、日頃接する機会の少ない学長と直に意見を交わすことのできる機会を設け、
学長が学生の生の声を聞き大学運営に活かすことや、学生に学長を身近に感じてもらうという目的で、2020年度よりスタートしたものです。
今回は、この春入学した1年次生6名が参加し、学長と語り合いました。
テーマ1 入学後3か月が経って-大学生になってどう変わった?自分の変化-
- 4月に入学されて、宝塚大学の学生になって3ヶ月経ちましたが、その中で自分の生活を振り返って、何が変わって、それが自分にとってどういう意味があるのかを教えていただけますか。
- 第一にリズムが変わったっていうのがあります。高校だと朝に学校行って夕方に帰ってくるというサイクルでしたが、大学生になったら授業がメイン、そこに自分の好きなことが入ってきて、自己管理が大切になってきました。アルバイトもしているので、大学行ってアルバイトして、そして宝翔祭の実行委員もしているので(自己管理が)結構大変です。

- 大学は高校と比べると座学よりも実技が多くなっています。
- 一番、大学に入って思っている事は、先生と学生の距離が近いっていう所ですね。(先生に)教えてもらっているんですけど、一人の生徒として見てるって感じじゃなくて、一人の友達として見てもらってるようにも思えて、友達と話してるみたいな感じです。高校だと、やっぱり「先生と生徒」っていう感じで、、立ち位置がどうしてもあるのでちょっと硬くなっちゃったりして話があんまり出来なかったんですけど、大学に入ってからは、教授たちがすごいラフな感じで距離の近さを感じています。
- 人脈の広がりの速さですかね。(宝塚大学は)コミュニケーションを大事にしてて、グループディスカッションやグループで活動するっていうことを大事にしているところがあるので。そのおかげもあって、ひとりひとりが複数の友達を持っているので、ひとり友達になると、そのまた友達、その友達からまた別の友達、と広げやすくなって、大学生活が楽しいなって思います。
- 中国から日本に来て、日本語を勉強してから大学に入りました。人生初めてのアルバイトを今年はじめて、結構楽しかったですね。ちょっと忙しくて授業とアルバイトの時間のバランスが取れなかったかな。
- もちろんいい意味でなんですけど、あんまり学校に勉強しに来てる感じが無いですね。多分、自分がやりたいことをメインでできてるからというのもあると思うんですけど、出された課題を家で時間を忘れてすごく楽しんでやってるので、大学生活めちゃくちゃ楽しいなあって。
- たぶん、皆さんに共通してるのはね、高校の時はなんかこう“やらされ感”っていうか、“与えられた事をしてる”ってことだと思うんだけども、大学に入ったら、自分で選んで、それはアルバイトもそうかもしれないしあるいは授業でも友達づきあいでも、“やらされ感”がなくて、“自分で自分の生活をつくっていくことができる”っていうのは面白いかもしれないね。
- この大学に入って、どう思いますか?大学で、今学んでおられるメディア芸術をやってみて、“楽しい”っていうワードが出てきたんだけどね、そう思いますか?
- 授業、面白いのがあります。
- 自分の場合ですが、グループワークが欲しいです。今もあるんですがもっと出たいと思います。めっちゃ将来役に立つと思いますね。
- 楽しいです。特にグループワークが好きで、グループワークをやりたいなと思ったいたので。自分たちで企画して撮影して、編集してつくるという授業を取っているんですけど、みんなそれぞれ得意なことがあったり、そうでなかったり。そこでお互いの苦手なことを補っていくので、グループワークがすごくいいなあっていうのを実感していて。一人でつくるより、みんなでより良いものがつくれているなあって実感しています。
- 大学生活楽しいです。
- まあ、大学の授業の中で、面白い授業もあれば、そうでない授業もあると、当然そうなんだけどね。授業が自分にとってどういう意味があるかっていうのは、一番大事だと思うんだよね。授業って全部、必修もあるけども必修以外のものについては自分で選択するわけだから、高校と違って自分で選んだ授業には自分に責任があると言うことですね。だから与えられたものじゃなくて、自分から選びとって何かして行くというものには、そういう楽しさがあるよね。
テーマ2 大学へのお願い-いいところや改善点など-

- 今までね、非常にポジティブなことを伝えていただいたんですが、ここで“こんなことして欲しい”って言う事はありましたか。(キャンパスが)せまいとか、制約もあるだろうけど。いろいろマイナスの部分もあるじゃない?そういうことがもしあれば言ってほしいんだけど。
- 授業を取りたいなと思った時に、人気の授業ってやっぱり抽選になっちゃうんですよ。どうしても取りたい授業が取れなかった時結構ショックなので、抽選の枠をどうにか広げたりできないかなっていうのがあります。
- 抽選で同じなんですけど、外国語を取ってるんですけど、一年生が1人だけしかいないんですね。だから同い年で、「あの言語って難しいよね」って共感できる人がいないんですよ。1人だけだったら外して(不開講にして)ほしいです。
- 今、逆のこと言われたよね、ひとりは「(受けたいと思う)人数が多くて抽選」、ひとりは「(授業が)一人だから友達がいなくてと困る」、全然逆の事なんだよね。私もね、大学時代に1対1の授業っていくつかあったのね。けっこうストレスだよね。けれども、ある意味では幸せなことかもしれない。だって1対1で教えてくれる家庭教師のような大学の先生って、とっても贅沢なことかもしれない。ただまぁ、仲間がいないから少し寂しいところがあるよね。
- 自分の作品を褒めてもらいたいです。アドバイスはいただくんですけど。
- 日本の先生ってね、だいたい褒めるの苦手な人多いよね、どっちかって言ったらね。私、アメリカに住んでたことあるけど、アメリカの先生は褒めるとこ探し出すんですよね、だから文化の違いかもしれないですねそれは。褒めて育ててほしいと言うのは、今度機会があれば言っとくよ。
- グループワークを増やしてほしいなあと思います。動画やオンラインの授業など一方的に受ける授業が多いんですが、そういう時って、授業を今やってるっていう意識になりにくくて。グループワークだったら、考えて、どうしたらいいかなって参加しているってなるんですけど、ただ聞いてるだけになるとなかなか授業に入り込みにくいので。自分で選んだ授業なので、そこは能動的にやっていかなきゃいけないっていうのはわかってるんですけど、やっぱり授業が楽しいとやる気にもなるし、先生が学生側にリアクションを求めたりいろいろ聞いてきてくれたりとか、そういった授業だと考えやすく、自分も考えやすくなるので。
- 中国の先生は、みんなちょっと厳しいですね。人によってコミュニケーションのない先生ももちろんいらっしゃいますけども、基本的に「勉強しろ」って言われるのでめっちゃ厳しかった。
-
日本の大学は“アクティブシンキング”とかね、自分で勉強、学生自身が自分でアクティブに勉強して行くっていうことを強調されるようになってきてるし、だいぶ良くなってきてるんだよ、昔に比べたら。対話型になってきてるっていうのは最近結構多くなってますね。
それからもうひとつ、最後に聞きたいのは、あなた方の将来この大学で何を掴んで自分がどういうふうに自分をつくっていきたいかっていうことを聞きたいと思います。 - 技術力を高めたい。
- 技術力?
- そう、技術力です。あともう一つ、グループワークをもっとやりたいって感じです。アイディアを出すのは自分ではすごく得意だと思って、それを形に落とし込む技術を学びたいと思って。そういうのを学んでいく中で、グループワークとかいろんな授業で技術力を身につけていきたいなと思って。
- 自分はアナログのマンガをずっとやって行きたいなってのがあって。先代から使われているいろんな技術があるわけじゃないですか。1枚のつくりかたをとっても。そういうのをいろいろ吸収していいものがつくれるようになりたいなと思って。
- たくさんいろんな作品に触れられるので、大学の授業や教えてもらっている内容は役立ちます。自分で作品が見れるようになったら、(美術館などに)行ける機会があるなと。
- フリーランスで絵を描いて、ユニバーサルなものをつくりたいと思います。だれにでもわかるような。
- 将来自分のコーヒーショップをたてたいです。自分の作品を入れて、それを展示するコーヒーショップをつくりたいです。そして、自分の作品だけじゃなくて、ほかの方たちの作品もいれてCMを作ったり、そういう仕事をやりたいです。クリエイターという仕事だけじゃなくて、それを組織するような仕事をしたいです。
- 自分的には絵を描いていれば、正直何をやっても絶対続けるって感じなんですけど、ゲームが好きで、ゲーム全般を自分でこなしたいっていうのがあります。非現実的かも知れないんですけどゲームのUI、どんな人が見ても魅了されるように作りたいです。宝塚大学は、アニメーションだったり、イラストレーションだったり、メディア芸術にマンガだったり、いろんな分野がそこの知識を全部取り入れた、そしてそれが実ったUIっていうのをつくりだせる。うまくなるために学びに来るっていうのではなく、どちらかというと技術をたくさん取り込むっていう場所なので。いろんな知識をいっぱい入れて、UIをつくってみたい。
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すばらしいですね。今日はね、皆さん本当に積極的な学生で、自分の意見を持ってる人たちが多かったので、お話してて楽しかったし、こんなすばらしい学生達がいるんだって知れた事は改めていいなって思いましたね。
みなさんは1年次生、まだこれから3年以上大学生活があるし、場合によっては大学院ってことも考えられる。大学はね、“教えられている”という感覚があると全然つまらないですよ。勉強ってみんなそうだけど、自分の勉強をする時に大学はどういう材料を提供してくれるか、そういう発想でないと面白くない。あくまでも積極的に勉強をしていただいて、面白いことを自分でつくっていって、いい大学生活を送ってもらって、それから将来につなげていただきたいなと思います。
今日はどうもありがとうございました。

米川 英樹 学長
メディアデザイン分野:橋口 静思 専任講師
<参加学生>
石川 優月/高橋 咲帆/千代 有馬/野口 龍/長谷 妃士/李 徳斌(メディア芸術学部1年次生)