第2回学長×東京メディア芸術学部生 座談会

この企画は、日頃接する機会の少ない学長と直に意見を交わすことのできる機会を設け、
学長が学生の生の声を聞き大学運営に活かすことや、
学生に学長を身近に感じてもらうという目的で、今年度よりスタートしたものです。
第2弾となる今回は、東京メディア芸術学部の渡邉ゼミの学生と
オンライン授業や渡邉ゼミが行っている学外連携について語り合いました。
テーマ1「オンライン授業について」
- コロナ禍で今年度(※2020年度)はオンライン授業が主流となりました。東京新宿キャンパスでは、授業の準備を慎重に進めた後、授業を開始したのは5月25日でした。
1年次生は特に不安な思いもあったかと思いますが、いかがでしたか。対面授業が少ない中で友だちにもなかなか顔を合わせられなかったでしょう? - そうですね。なかなか会えなかったですけど、SNSとかでつながっていて、対面で行った集中授業の時に一気に仲良くなった感じです。
- オンライン授業については、いかがですか?
- やっぱり難しいですね・・・集中力が切れてしまって。

- 私はオンライン授業の方がやりやすいと感じています。オンライン授業では録画機能があるので、見返してじっくり理解してから次に進めるので助かっています。
今までイラスト系の授業を受けていて、今年から映像の授業も受けだしたんですけど、ほんとに難しくて、だからこの機能はとてもありがたかったです。これからもオンラインの方がうれしいなぁ。 - あとは通学時間が楽です。私、家が遠いから・・・。電車のラッシュに巻き込まれないし。
- 時間を有効活用できるのはいいところですが、人とコミュニケーションをとりながら作業を進める授業はやっぱり難しいです。
3年次になると、そういった授業が多いので結構大変です。アイデアは、人と人が会うことによって生まれると思います。ずっと家にいると、影響を受ける外的要素が圧倒的に少ないので、そういう意味では対面授業が良かったなぁと思います。 - グループ制作の予定が個人制作になったりとか、楽しみにしていた授業が変更になったものは結構たくさんありました。
- 人と作業して物事を進めていくのは、社会に出たら必ず必要な能力だと思います。
自分がチームの中でどう立ち回るか、指示を出して回していく人もいれば、指示を出さずに黙々と自分の作業をする人もいる、全然協力してくれない人もいる。
でもそうやっていろんな人と関わることで、揉まれて成長できるのかなと思います。 - そうですね。グループ制作をすることによって、他の人が持っているノウハウを掴み取ることもできますが、オンライン授業だとどうしてもそういった機会は少なくなってしまいますね。そういったところは今後の課題ですね。
テーマ2「光のアートで校舎を包もう!」プロジェクト

- 皆さんは、渡邉ゼミに所属して、様々な課外活動で活躍されてますよね。
TVにも取り上げられた高校の校舎をプロジェクションマッピングで輝かすイベントでは、本当に高校生が喜び感動してくれてとても素晴らしい活動だと思いました。皆さんはどういった思いで参加されていますか? - このゼミはけっこう課外授業が多くて、その一部がアートプロジェクションです。この企画はワークショップという感じですが、それ以外にも新宿区の健康促進のキャラクターデザインとかもさせてもらっています。
幅広い分野で学生たちのやりたいことのニーズを満たしたうえで渡邉先生がいろいろ学外連携の話を持ってきてくれるので、いろんなことができて楽しいです。 - 渡邉先生としてもゼミの学生たちは頼もしい存在ですね?
- そうですね。いろいろな企画で、上級生が中心となって後輩に指導してくれています。高校生へのレクチャーに関してもそうです。学生たちにある程度お任せしています。そういった意味では頼もしいですね。
- 人に教えるのは、自分の知識とか技術を飲み込んでいないとできない。授業で学んだ知識や技術を、人に教えることで本当に身につけることができると思います。
これは、社会に出てからも必要な経験だと思っています。授業を受けているだけではできない経験をさせてもらえるのでやっていてよかったなぁと思います。 - 課外での活動を積極的にされていますが、サークル活動でもないし、授業外活動、ゼミの活動の一環としての活動ってことかな。外部の方と連携して何かをするっていうのは、急に社会の海の中に放りこまれた感じでしょう?
あなたたちは学生で普段は教えてもらう立場ですが、この活動は相手の方々が教えてもらう立場になりますよね。
偉そうにできるわけではないけど、あなたたちが教えたり技術を提供したりしないといけないわけです。難しいこともあったでしょうが、本当に面白く素晴らしい経験ができていますね。

テーマ3「将来について」
- 今後の展望、就職のこととかではどうでしょうか?
- 私は、ずっと演劇をしてきて、そういう方向で進んでいこうと思っていたけど、コロナ禍で演劇業界は大打撃を受けてしまって、演劇の世界に進むのが難しくなりました。
でも今はデザイン系の仕事に進みたいと思えるようになりました。夢を諦めたからこそ、新しい夢を見つけられたのかなと思います。 - 4月から4年次になって、再来年就職する予定ですけど、そこがゴールではないと思っています。転職に抵抗はないので、いろんなことを試してみるのもありだと思っています。
いろいろ試して、いつか自分にしっくりくるものが見つかると思うので、今はまだまだ視野を広げていってもいいのかなと考えています。 - 私は、イラストとか映像とかいろいろ学んできたのでそれを活かしたい。
世の中にクリエイターはたくさんいるので、その中の一人になるよりは、クリエイターと企業の橋渡しをするような仕事が、このゼミでの経験が一番活かせるかと思います。 - それはどういう経験が活かされるのですか?
- シンガーソングライターと渡邉ゼミでいろんなコラボ企画をしていて、そのリーダー的な立場をさせてもらっているのでそういう経験が活かせると思います
- おもしろそうなことをしていますね。そういうことは専門的に教えているところがあるのですか?
- ディレクション能力は専門的に学ばなくても、グループでやっていれば身につくものだと思います。もちろん助言はしますが。
言われて描くだけじゃなくて、仕事を興していく。作品をつくるクリエイティブではなく、仕組みのクリエイティブ。
そういうことをゼミが担っていると思います。細かいところは授業から自分で学んでもらって、それを活かして、社会でどのように活用するのかを考えさせるのがゼミだと思っています。 - 渡邉先生が学生たちに在学中に学んでほしいと思っていることは、本質を見抜く力だと思います。一つの作品を誰がどういった目的でつくったのかを見抜いて、それをどのようにしていけばよいかを考えられる力だと思います。
自分たちがクリエイターにならなくても、その本質を身につけて社会に出て行ってほしいと先生は思っているのかなと思っています。どの業界にいっても、その力が身についていればやっていけると思います。
- 大学院に進むことを考えたりはしないのですか?
- 選択肢としてはアリなんですけど、経済的に・・・。
- 学部からうちの大学院に進むと学費は半額になるよ。
- 個人的には、優秀な学生が大学院に進んで、ゆくゆくは教える側にまわってほしいという思いもあります。また、たとえ大学で学んだことを活かす職業につかなかったとしても、大学での学びは、きっと人生を豊かにしてくれると思います。
大学生活を楽しんで、たくさんの経験をして、何か1つでもこれはということを掴んでください。新しいステップに踏み出せるような大学生活を送ってください。
皆さんにお会いできてよかったです。今日は、ありがとうございました。

米川 英樹 学長
東京メディア芸術学部:渡邉 哲意 教授(メディアデザイン分野)
<参加学生>
正野 千夏(メディアデザイン分野3年次生)/仲村 悠作(メディアデザイン分野3年次生)/ 赤堀 帆乃香(メディアデザイン分野2年次生)
金子 美咲(メディアデザイン分野2年次生)/釘田 紗枝(メディアデザイン分野1年次生)
※感染対策に細心の注意を払い、室内換気・マスク着用・アクリル板設置にて行いました。