学長メッセージ
宝塚大学は「芸術と科学の協調」を建学の理念として掲げ、1967年に関西女子学園短期大学として産声を上げました。その後、先人の弛まぬ努力のもと社会のニーズに応じた幾多の変遷を経て、現在、東京新宿にある東京メディア芸術学部及び大学院メディア芸術研究科並びに大阪梅田にある看護学部及び助産学専攻科の2学部1研究科1専攻科を擁する都市型の大学に変貌を遂げました。本学の建学の理念に基づいた特色ある教育を通して学んだ多くの卒業生たちは、メディア芸術の分野で芸術表現の新たな可能性を切り拓き、あるいは医療の現場で多角的な視野や感性を発揮し、有為な人材として社会で活躍しています。
私たちが生きる時代はAI革命と言われる時代です。デジタル技術の発展により、表現の手法は多様化し、コンテンツ産業を支える人材の高度化が求められています。東京メディア芸術学部では、マンガ、イラストレーション、アニメーション、ゲーム、メディアデザイン分野にわたって、社会変革によって生まれる新たな職業に適した教育を目指し、人間の持つ創造力を引き出すための柔軟な教育プログラムを展開しています。一方、医療現場においてはAIによる診断やウェアラブルデバイスによる患者モニタリングなどますます技術革新が進むでしょう。しかしながら看護においてはAIには成しえない患者の全人的な理解が必要であり、そのためには豊かな感性と相互信頼が欠かせません。看護学部で看護の理論や技術だけでなく「アート」を取り入れた教育にこだわるのは、感性や創造性を磨くだけでなく、「アート」への共感が世代や言葉の壁を越え人と人との繋がりを醸成するからにほかなりません。
知識は実践を通じて初めて真の知識として身に付くものです。本学での大学生活を通じて専門性を深めつつ社会や現場の課題に向き合い学んだ知識を知恵に変え、社会の変化や多様な価値観に柔軟に対応できる実践力ある人材として成長されることを願っています。人生の大切な時期にみなさんの心に芽生えた夢や尊いこころざしを叶えるのはあなた自身です。私たち宝塚大学教職員は学生一人ひとりの可能性を最大限引き出せるよう全力でサポートします。

宝塚大学 学長 中岡 司