北見 隆ゼミ
TAKASHI KITAMI Seminar
大学院 北見 隆ゼミ
趙 翊雯

CHIMERA
本作は、海洋生物をモチーフに創作された四種類のキメラを題材としたイラストレーション研究です。古代ギリシア神話におけるキメラの起源を踏まえつつ、実在する海洋生物の形態を参照し、それらの特徴を融合して新たなキメラを創造しました。本展示では、四種類のキメラをテーマとした2点の立体作品と4点の平面作品を発表します。立体作品では、「双頭類キメラの化石箱」と「甲殻類キメラの人工飼育標本」制作し、平面作品では、四種類のキメラの生態を海洋生物として視覚的に表現しています。
大学院 北見 隆ゼミ
張 雅雲

彼女の家にまつわるすべて
本作品は、女性のノスタルジアに見られる三つの核心的特徴――「懐旧感」「疎離感」「離脱感」を抽出し、それらを創作概念の基盤として位置づけている。「家」という空間イメージを解体し、「部屋」「窓」「本棚」「扉」という象徴性を持つ四つの視覚要素を構造的枠組みとして選び、イラストレーションのシリーズ制作を展開した。最終的には、群像的な構図によって各作品を視覚的・物語的に結びつけ、女性のノスタルジア経験をめぐる一つの総合的な作品体系を構築している。
大学院 北見 隆ゼミ
FANG RUOTONG

十二支の縁起物
本作品は十二支の動物をモチーフにした郷土玩具のイラストレーショ作品研究です。十二支動物の代表的な縁起の良い物と良い意味や祈りをイラストレーションの中で表現しています。その祈り、神様とつながっていて具象化の郷土玩具の特徴の上で新たな発想を加えて、かわいくて簡単な形で新たな張り玩具の形を創作しました。イラストレーション作品は120枚で、各動物10枚ずつとなります。さらに、イラスト作品とともに12点の立体作品を制作しました。このシリーズの作品を通して、人々に祝福を届けて、縁起物の魅力を伝えます。
大学院 北見 隆ゼミ
陳 洪佳

NAOMI
本作は、谷崎潤一郎『痴人の愛』の主人公ナオミを唯一の人物として描き、変形銅版画技法によって、異なる場面と衣装における彼女の多面的な姿を一枚の画面に展開したものである。1920〜30年代の都市文化を象徴する装飾的な扉や窓を構成し、その枠はナオミの変化する瞬間や時代が形づけた女性像を象徴している。繊細な線描と銅版特有の陰影によって、ナオミは華やかさと距離感のあいだを揺れ動き、都市で絶えず“見られ”、再解釈される存在として浮かび上がる。本作は複数の女性ではなく、同一人物の多面性を視覚化し、ナオミという都市女性像の象徴性を現代的視点から再考する試みである。
古瀬 登ゼミ
NOBORU FURUSE Seminar
大学院 古瀬 登ゼミ
侯 天斉

藤野先生
魯迅は1904年に日本の仙台へ渡り、医学を学びました。そこで、解剖学教授の藤野厳九郎からは格別な指導と世話を受けました。しかし、「匿名手紙事件」(試験不正の嫌疑をかけられたこと)と「スライド事件」(同胞が日本軍に捕えられて銃殺される幻灯を目撃する)を経験した後、魯迅は民族の危機を痛感し、医学を捨て文学の道へ進むことを決意しました。
井上 幸喜ゼミ
KOUKI INOUE Seminar
大学院 井上 幸喜ゼミ
賈 雨霏

Vulcan
本作は、かつて存在が信じられながらも、人々の記憶から消えていった幻の惑星「ヴァルカン」を題材としたアドベンチャーゲームです。プレイヤーは観客として物語に関わり、ストーリーの進行と共に舞台美術として構築された世界へ足を踏み入れ、天文学の歴史の中で「ひとつの惑星がどのように失われていったのか」を追体験します。 伝統的な舞台装置とインタラクションを融合することで、オペラの舞台様式をゲーム内で再構築し、観客席から眺めるだけでなく、舞台を行き来しながら物語に没入できる作品となっています。
大学院 井上 幸喜ゼミ
黄 志滔

先生とマネしよう
本作品は、幼児を対象とした体感型の知育ゲームである。 「まねをする」という行為に着目し、教師役キャラクターの動作を身体で模倣することで、交通ルールを直感的に理解する体験を設計した。Kinectによる動作認識を用い、手を上げる、左右を確認するなどの基本動作を通して、横断歩道や信号に関する学習を行う。視覚的な説明に加えて身体的な参加を促すことで、エデュテイメントシステム構築を目的としている。
渡邉 哲意ゼミ
TETSUI WATANABE Seminar
大学院 渡邉 哲意ゼミ
劉 璇

記憶
本作品は、山谷という地域に積み重ねられてきた人々の記憶を可視化し、その過去・現在・未来を観客とともに共有することを目的としたプロジェクションマッピング作品である。山谷は、長い歴史の中で大きな変化を経験しながらも、地域の根底にはかつての生活の気配や人々の思いが確かに息づいている土地である。本作品は、その「変わりゆくもの」と「変わらず残るもの」の両面を映像表現として掬い取り、記憶という目に見えない層を光と影の演出によって立ち上げようとする試みである。 記憶とは本来、明確な形を持たない曖昧な存在である。時に歪められ、時に忘却されながらも、ある瞬間に思いがけず甦ることがある。それは街角の光の反射であったり、風に揺れる木々の影であったり、あるいは日常の何気ない匂いや音であったりする。本作品では、こうした記憶の揺らぎや不確かさ、そしてその重なりを映像の構造として取り込み、山谷という土地に息づく無数の記憶の層を視覚的に再構築する。 映像内容は、「再来」芸術祭の歩みを軸に展開される。地域に根ざした芸術祭として積み上げられてきた時間をベースに、山谷の新たな風景と昔ながらの風景を素材として扱い、それらを歪ませたり溶け合わせたりしながら一つの映像として再編している。特に、木漏れ日の効果を意図的に取り入れ、木々の隙間から差し込む揺らめく光を映像全体のモチーフとして使用した。木漏れ日の光と影が常に形を変えながら重なり合う様は、人々の記憶が時間とともに書き換えられ、あるいは新たに生まれる現象と呼応している。 また、空間全体に投影される映像は、観客自身の身体感覚とも結び付けられるよう構成している。光が壁面にゆっくりと溶け込み、影がにじむように漂うその変化は、観客が作品の内部に入り込むような没入感を生み出す。これにより、山谷という地域の持つ時間的な深みだけではなく、そこで暮らし、訪れ、記憶を刻んできた無数の人々に寄り添う視点を提示することを目指した。 最終的に本作品は、地域の歴史や文化、人々の感情が柔らかく交錯し続ける山谷という土地そのものを写し取るものである。変化し続ける光と影の中に、観客自身の記憶もまた重なり合い、地域と個人をつなぐ新たな体験を生み出すことを期待している。
大学院 渡邉 哲意ゼミ
鄭 瑞琦

断つ夢
本作品は、視覚的隠喩を用いて、成長に伴う夢の喪失と現実社会との衝突を描いたものである。かつて回転木馬の支柱であった一本の棒は、少女の手の中で血に染まった槍へと変質し、幼少期の幻想が社会の厳しさによって形を変えてしまう過程を象徴している。社会に足を踏み入れた大人は、その複雑さや競争の残酷さゆえに、かつての夢を保つことが難しくなる。本作では、少女がその槍を振り下ろす姿を通して、外界の圧力により自らの夢を「断つ」瞬間を視覚的に示した。隠喩構造により、夢と現実の断絶や成長の痛みを多層的に読み取れる表現を目指している。
大学院 渡邉 哲意ゼミ
張 越双

少女たちの日常的な戦闘訓練
本研究では、1980年代以降に成立した格闘系「戦闘美少女」の生成要因と発展過程を分析し、多数の作品をもとに外観表現の系譜を整理した。本作品はその研究成果を踏まえ、同一世界観のもとで構築したキャラクターデザインおよびイラストである。 2086年、人類は終末に備え避難所を建設したが破滅は避けられず、二百年後、残存者と覚醒者が新世界を形成する。第77号避難所では遺伝子強化を用い、少女たちは荒野で旧文明の技術回収に従事している。
大学院 渡邉 哲意ゼミ
張 瀾雨

Into the deep web
2005年のある日、ひとりのアンダーグラウンドサイト愛好者が「into the deep web」という謎のサイトを見つける。しかし、サイトを開いた瞬間に意識を失い、目を覚ますと、彼女は1995年のとある街に立っていた——。
これは一体どういうことなのか。元の世界へ戻ることはできるのか。
やがて、この世界から脱出するには“システムが課すミッション”を達成しなければならないことが判明する。物語を潜り進むほど、この世界の真相が少しずつ明らかになっていく——。
本作はスマートフォンで読む実験的AR漫画。読み手は歩きながら物語を進め、思いがけないインタラクションも体験できる。
中村 泰之ゼミ
YASUYUKI NAKAMURA Seminar
大学院 中村 泰之ゼミ
金 品

推し活日和
「推し活日和」は、推し活という文化を学習マンガの形式で紹介するために制作した作品です。推し友同士の関係性を描いた短いストーリーマンガと、推し活あるあるをまとめたマンガ、イラスト、文章、写真を組み合わせ、推し活に内在する楽しさや行動の特徴を多角的に示しています。本作品は、研究内容で整理した学習マンガの表現手法を自分の作品に落とし込んだ実例であり、読者が推し活をより親しみやすく理解できるよう構成しています。日常の推し活がもつ魅力や意味を、読み手に伝わる形で整理しつつ、学習マンガの新たな可能性を探る試みでもあります。
大学院 中村 泰之ゼミ
KHOEUN SOVANVATEY

伝統色から若者色へ
本作品は、カンボジアにおける伝統的な色彩文化と、現代の若者世代の色の嗜好を明らかにし、その特徴を視覚的に示すことを目的として制作したものである。カンボジアでは、かつて植物を原料とした天然染料が使用され、自然界から得られる色は赤・黄・青・黒の4種類に大別されていたとされる。こうした伝統的な色彩文化は、現在のデザインにも影響を与えている可能性がある。カンボジア人が制作したパッケージデザインを調査したところ、赤系統と黄色系統が特に多く使われていることが分かった。また、村に建てられた建物の外観を撮影し色を抽出したところ、多くの建築物でも黄色系統が頻繁に使われていた。これらの画像から抽出した色をグループ分けし、カンボジアの環境に根付くカラーパレットを作成した。さらに、16〜35歳のカンボジアの若者を対象に調査を行った結果、明るい色を好む傾向が一貫して見られた。アンケート項目の一つでは、暗めの色である #D98D03 を選んだ人が 10% にとどまったのに対し、より明るい色である #FCBB45 は 69% の回答者に選ばれた。これらの結果から、若者の間では明るい色への嗜好が特に強いことが示唆される。一方で、環境から抽出した基準色も一定の支持があり、伝統的な色彩と現代的な好みの両方が若者の色選択に影響を与えていることが分かった。作品としては、これらの調査結果に基づき、若者の好む色を視覚化したポスターを制作した。また、既存のパッケージデザインのレイアウトはそのままに、配色のみを変更したバリエーションを複数展開し、同じデザインでも色の違いによって印象がどのように変化するかを比較できるようにしている。
近藤 真彫ゼミ
MAHORI KONDO Seminar
大学院 近藤 真彫ゼミ
秦 暁卿

冒険者たちの食卓
本研究では、『ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)』を中心とする西洋ファンタジーゲーム作品における食文化要素の不足に着目し、世界観と没入感を補完することを目的として、種族ごとの食文化の再構築を試みる。『D&D』に登場する種族の特徴を踏まえて食文化を紹介する45ページのレシピ本『冒険者たちの食卓』を作成する。紙冊子版と共に電子版を制作し、アニメーション効果、サウンドエフェクトを加える。研究成果を活用し、ファンタジー世界の食文化に新しいリアリティと魅力を付与することを意図している。
