宝塚大学

東京メディア芸術学部

教員紹介

竹内 一郎 教授

マンガ分野

竹内 一郎教授

ICHIRO TAKEUCHI

担当科目

日本 漫 画 史 /ストーリーマンガ 論 /非 言 語コミュニケーション論 他

PROFILE

九州大学博士(比較社会文化)、劇作家 、漫画原作者。『哲也』で講談社漫画賞、サントリー学 芸 賞など受 賞 。著作:『人は見た目が9割』(新潮新書)

-MESSAGE01

マンガ制作の現場の厳しさを我々の背中から感じてほしい

東京メディア芸術学部が設置された時から教壇に立っているので今年で13年目になります。劇作家、マンガ原作者としての経験を活かし、漫画の歴史を知る「日本漫画史」や、原作からマンガのネームを制作する「ストーリーマンガ論」などの授業を担当しています。マンガ制作の実践的スキルも教えていますが、学生に学んでほしいのは、「少年マガジン」と「少年ジャンプ」が発行部数四百万部というとてつもない部数で競争を繰り広げていた時代に、目から火を噴く思いで原作者をやってきた私にしか伝えられない競争の激しさ、苛烈さです。技術的な部分は教え方の上手な若い先生がたくさんがいるので、真剣にものづくりに取り組むとはどういうことか、どんな生き方をすべきかを背中から感じてもらいたいと考えています。それが私や松本零士先生の役割であり、宝塚大学でマンガを学ぶメリットだと考えています。また、講義科目として「非言語コミュニケーション論」も担当しています。私の代表作の一つである『人は見た目が9割』(新潮新書)でも紹介している内容ですが、こちらも学生にぜひ学んでもらいたい、将来必ず役に立つ講義です。

竹内 一郎 教授

-MESSAGE02

コミュニケーションを支えるのは
「言語」だけではありません

「非言語コミュニケーション」とは、漫画原作者兼作家である私が書いた原作の言葉が、マンガ家さんが描く絵によって、あるいは俳優さんが喋ることによってその伝わり方が異なるという経験から気付いた概念です。つまり、言語というものは、言語以外の、表情、声質、口調、身振り手振りなどの要素によって伝わり方が大きく変わります。
これらの「非言語コミュニケーション」は、他人に何か伝える場合とても重要で、近年多用されるメールというのは、実は誤解を生みやすいコミュニケーションであるということも説いてきました。やはりフェイストゥフェイスで、音声、表情、アクションなどをひっくるめて伝達しないと、人間が本来持っている力が減少するということを話しています。「非言語コミュニケーション」の知識は、マンガやアニメーション、ゲームなどの中で何かを「伝える」表現を行う場合に役立つのはもちろんのこと、将来、仕事の現場で絶対に必要になる他者とのコミュニケーションでも、その効果を発揮するでしょう。クリエイターは言葉が拙いことが多いのですが、「非言語コミュニケーション」に思いをはせることで、より効果的に意思の疎通ができるようになるのではないかと思います。

-MESSAGE03

自分の可能性を磨くために
「一流」に触れてください

学生たちを見ていると、いつの時代も若い人は可能性に満ちていると感じますね。その可能性をなるべくすり減らしたくないので、課題などやるべきことをやっていれば、あとは自己流で可能性を磨いていってほしいと考えています。そのために必要なのが「一流に触れる」こと。世の中が一流と考える物でなくても、自分が一流と思うものでかまいません。
自分一人でやっていると、ついおごりが出てしまうので、自分で「これが一流」と思い定めたものを目標に、少しでも近づけるように日々努力していけば良いのではないかと思います。私も、小さな出版社から出した大好きな小説家、雀士の阿佐田哲也さんの言葉を集めた本が別の出版社のマンガ編集者の目に留まり、それが後の私のヒット作、『哲也-雀聖と呼ばれた男』に繋がりました。ヒットさせようとしたわけではなく、好きなものを追求していたら、評価をいただくことができました。その時代の評価というのは小さなものです。取り組んでいることがクリエーションである限り、売れるか売れないかではなく、普遍的なものに近づこうという精神があるか、志があるかということが一番大事なことなのです。

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