宝塚大学

東京メディア芸術学部

教員紹介

イラストレーション分野

高田 美苗専任講師

MINAE TAKADA

担当科目

造形表現演習Ⅱ/イラストレーションⅠ/造 形 表 現 Ⅰ・Ⅱ 他

PROFILE

画家。(株)サンリオでデザイナーとして勤務後、フリーのイラストレーター・画 家・デ ザイナーとして活 動 。著 作:『幻獣絵図鑑』『箱庭のアリス』 他

-MESSAGE01

古典技法を学ぶことで豊かな人間性を育んでほしい

イラストレーション領域の専任講師としていくつか授業を担当していますが、中でも力を入れて取り組んでいるのは「造形表現I」です。私自身が日ごろ作家として絵を描く時に使っている技法について教える授業です。「混合技法」という、油絵具と樹脂を使った絵具を組み合わせて描くもので、ルネサンス時代、それまでのテンペラ画(顔料と卵黄を混合した絵具で描く絵画)から油絵具を使った油彩画に移行する時期に使われていた古典的な手法です。授業ではテンペラではなく「アルキド樹脂絵具」という現代的な素材を使い、油絵具と組み合わせて作品を実際に描いてもらいます。テーマは学生の皆さんの自画像です。「古典技法」というアナログな表現技術を学ぶというのは、この大学の授業においては異質なものであり、学生の皆さんもあまり触れてこなかった分野だと思いますが、このような手法を学ぶことでデッサンの重要性を理解することができますし、様々な表現方法に関心を持つきっかけになるはずです。そして知識の幅を広げることは、豊かな表現力に欠かせない「幅広い人間性」につながると考えています。そのため、藝大出身の画家・イラストレーターの建石修志さんをお招きし、アカデミックな雰囲気で授業を行っています。

-MESSAGE02

「何でも取り組んでみよう」という
チャレンジ精神が大切

混合技法で絵を描いてもらうと、多くの学生の皆さんが「楽しい」と話します。イラストレーションにしろアニメーションにしろ、現代の表現作業は、コンピュータの中で完結してしまうことがほとんどです。しかしこの授業では、絵具を溶く、下地を作る、そして額縁などの立体物を作るなど、まさにアナログな作業をたくさん行います。学生たちはデジタルな作業では得られない、現実的な満足感を感じてくれているようです。私の授業で学ぶような古典技法を知らなくてもイラストレーションやアニメーションを描くことはできますが、それを知っていることで表現の幅が広がったり、多様なアイデアにつながると思います。学生の皆さんにはこの授業を通じて、自分の知らない表現や作品に興味、関心を持ってほしいと思います。私の授業以外にも、この大学には銅版画、テンペラ画、染物、陶芸などを教える先生もいるので、「何でも取り組んでみよう」という方の意欲に応えることができます。大学卒業後、例えば陶芸をやろうと考えても実際に始めるにはとてもハードルが高くなります。大学時代に少しでも経験をしておけば、そのハードルが低くなり、取り組みやすくなるというメリットもあると考えています。

-MESSAGE03

自分の能力を活かす道は
どんな職業でも見つかる

新宿駅の近くにあるという学校のロケーションも大きなメリットだと思います。専任講師以外にも、「あの人を呼んで授業をしてもらおう」「授業のゲストに来てもらおう」と考えた時に来てもらいやすく、実際にそのような機会もたくさんあります。興味を広げたり、知識を深めるにはとても良い環境です。学生の皆さんからも、「こんな先生を呼んでほしい」という意見を出してみてはいかがでしょうか。
卒業後、クリエイティブな職業につく人が多いですが、一般的な職業に就く人もいます。しかし、たとえクリエイティブな職場でなくても、社内報のイラストを描く、売り場のPOPを制作するなど、能力の活かし方は必ずあります。大学で学んだ技術や考え方、体験した様々なことを活かす道を見つけて、自分なりの幸せを見つけてもらいたい。そう考えながら授業を行っています。

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