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2013年2月 7日

芸活支援講座"芸大卒10年後の1モデル~流されつづけながら見てきたもの~"を開催いたしました(1/25)

2013年1月25日(金)、16:40から18:10まで、宝塚キャンパスアートヒルホール(AHH)におきまして、芸活支援講座『芸大卒10年後の1モデル~流されつづけながら見てきたもの~』を開催いたしました。芸活支援講座は、将来、芸術活動や作家活動、クリエイターとして活動をしていきたいと考えている学生を対象とした、芸術活動(いわゆる「芸活」)支援を行う造形芸術学部独自の講座。その一環として、造形芸術学部非常勤講師上田順平(うえだじゅんぺい)先生から、1)上田先生自身について、2)自分自身の歩みに関して、3)メキシコ初心者からみたメキシコ文化・特色の紹介、4)学生時代に大事にしてほしいこと、と4章に分けて講演をいただきました。

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上田順平先生は、2005年京都市立芸術大学大学院修士課程工芸専攻陶磁器修了後、同大学で非常勤講師として5年間勤められました。「第11回岡本太郎現代芸術賞展」にて岡本敏子賞を受賞後、「平成22年度五島記念文化賞 美術新人賞」を受賞。それを受け、1年間メキシコ・トルーカ(生命科学芸術学院)へ滞在し制作をされました。帰国後は、宝塚大学で陶芸工房担当教員としてご教授いただき、また、看護学部の看護と芸術I-⑤(陶芸療法)もご担当いただいております。

 

まず最初に、上田先生自身についてのお話がありました。上田先生は子どものころから「教師になりたい」という夢があったそうです。その夢を叶えるべく芸術大学へ進学し、作品制作をつづけられました。4年間の大学生活を経て、新たな環境や人間関係の中で刺激を受けながら研究を進めるため、京都市立芸術大学大学院へ進学されました。先生自身、大学へ入ってから重きを置いておられたことは「展覧会等の実績、様々な審査をパスするための努力と作品」や「発信することや発表の形体」の大切さ。自分が発表するときの為、様々な展覧会に直接足を運び、体感することが重要で、いつ、どこで、誰に見せるか、何の為に行うかを意識することは、より重要な事であるといった事もお話いただきました。

 

第2章では、第1章に続き、上田先生自身の歩みについてお話いただきました。上田先生には転機となる展覧会が2度あったそうです。1度目は、2006年、京都府美術工芸新鋭選抜展。「この展覧会で結果を残せなければ、(賞というよりは作品の強度や反応等)この先、絶対にやっていけるはずも無い」「(選抜展前に訪れた)ロンドンで感じた違和感、感情の高まりをぶつけたい」との思いで出品され、(工芸部門)最優秀賞を受賞されました。2度目は、2008年、第11回岡本太郎現代芸術賞。この時先生は、「審査員の一人に、作品ファイルだけでも良いから見て欲しい」「現代美術と呼ばれている作品群に、モノ(焼き物)の底力を見せたい」との思いで出品され、岡本敏子賞を受賞されました。その2度の展覧会を経て感じた事、それは、「作品をつくる事で人と出会ったり、人を引き寄せたりする事の醍醐味、そして、今後の自分の中での作品作りの在り方(生業、研究、趣味等)を明確にすることに繋がったこと」だそうです。

 

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第3章では、メキシコ文化・特色の紹介をしていただきました。先生は、2010年に「平成22度五島記念文化賞 美術新人賞」を受賞され、それを受け1年間メキシコ・トルーカ(生命科学芸術学院)へ留学されました。今までと全く違う生活、人間関係のルール、味覚、言葉の中で、生活全般も含め、日本や自分を客観的に見つめ直す事、また、日本とメキシコ、2つの文化の相違点、共通点について検証する事を目的に海外へ留学された上田先生。そこでは、留学した先の文化を吸収すること、そして日本の文化を伝える事も目的に、コミュニケーションをとる事を重要視されたそうです。先生が留学中に撮影された写真をみせていただきながら、メキシコの文化や生活、食べ物の紹介もいただきました。先生自身はこの留学を通し、メキシコやメキシコ人に対して新たな発見や共感があり、(メキシコ人の陽気さと表裏一体の暗さの存在、西洋的なものと土着的なものの間で揺れ動く葛藤など)があり、それを通して日本文化や自分との共通点も見つけられたそうです。異文化の中でいろいろな違和感を抱きながらも、自分にとって「モノをつくること」「制作すること」の必要性を感じられたそうです。

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最後に、学生時代に大事にしてほしい8つのことについてお話いただきました。それは、①10代、20代前半にしか出来ない作品が数多く存在するので、自信を持って制作すること、②設備や人間、時間も含め、「大学」という環境を存分に利用すること、③いろんなタイプの人間とたくさん関わり、様々な社会を覗くこと、④誰か一人でも良いから本気で話せる友達や、自分のテリトリー以外での居場所を探すこと、⑤学生という特権を生かして、何事も恐れず恥をかくこと、⑥読書や映画鑑賞、旅行等から、感受性を磨いたり、物事を考える力を身につけること、⑦報われなかった努力の経験を沢山持つこと、⑧思いっきり遊ぶこと。そのために、たくさんの人と関わり情報を集め、訪れる機会を逃さない様精一杯制作することで、自分が作品をつくる事の必然性を確かめ、自分の道を切り開く力を養うように努力してほしい、とお話しされました。

 

タイトルにもなっている「流されつづけながら見てきたもの」。人や時間に流されるのは簡単です。しかし、流される覚悟や、流れに乗る際に必要なもの(作品の強度、人脈、勘の良さ等)を手に入れるための多大な努力をしないままにただ流されるだけでは、社会的な立場が確立出来ないと共に、何の補償もありません。しかし裏を返せば、確固たる「自分」があれば、どこに流れついても新たな発見ができます。この講演を通じ、流されるのもいいが自分の流れる「道」を決めておくこと、そして確固たる「自分」を形成しておくことの重要性についてお話いただきました。



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