人の心の健康と、人の心の自由を大切におもう、想像力豊かな人材を育てる場所です。
学長挨拶
人間にとって、芸術の役割って何でしょう?
医療に於ける看護の役割って何でしょう?
どちらかに答えるとすれば、芸術の役割についてより、看護の役割について考える方が手掛かりを見つけやすいかな?
医師と共に人の怪我や病を治す。あるいは、予防の手助けをする。などなど・・・
私たちの身辺をちょっとみわたすだけで、看護の役割はみえてきそうです。
人の身体の健康を保つこと。病気を治すこと。病気から予防すること。そして、それらの手助けをすることが、看護の役割だと言えそうですね。
でも、それだけでしょうか?
看護の役割のいちばん大切なところは、人の心の健康をとりもどすこと、その手助けをすること、ではないでしょうか。心の健康を回復してはじめて、病が癒えるのだろうと私はおもいます。
ですから、看護の役割は、病によって失われた人の心の健康をとりもどし、人の心の健康を保つ手助けをすることなのではないでしょうか。
芸術の役割もよく似ています。
芸術の役割をひとことで言うのはむつかしそうなのに、人は長い歴史にわたって芸術を大切にしてきました。
大切にしてきたからこそ、私たちは今でも美術館や博物館で何十年も何百年も何千年も前の芸術作品を観ることができるのですね。
では、なぜ人は芸術を大切にしてきたのでしょう。
それは、芸術が人間の生存のための自由を象徴するものであり、喜びをもって豊かに人間を存在させる、たった一つの方法だったからなのです。
かなしいことに、人は争います。21世紀の今になっても、地球上のあちこちで民族間の争い、宗教の違いによる争いは続いています。
人々が芸術を愛するよろこびと、豊かな心に満たされるようになったら、あるいは、人間の世界から争いが無くなるかもしれません。
宝塚大学は、芸術と医療を学ぶ大学です。人の心の健康と、人の心の自由を大切におもう、想像力豊かな人材を育てる場所です。
阪神間の平野を一望する高台の宝塚キャンパスと、人が集い活気ある日常に満ちた梅田キャンパスと、日々新しい文化の行き交う新宿キャンパスで、人と人、人と社会、人と自然を結ぶことがらについて、共に学びましょう。
2011年10月1日
宝塚大学学長 小清水 漸


